SSブログ

一期一会

長い人生の旅先(出張先)で起きた一期一会:
1980年夏、スイスのBaselに出張した時のこと。
夕食を取りにMarket Platzに面したファミレスに入店して空いていたので4人が座れるボックス席に着席してメニューを見ていたとき、年の頃なら80代の杖を突いた老人男性が入店、私達の席の方によろよろと近づき前の席に倒れるように着席。
具合でも悪いのかとビックリして顔を見ると日本語で「私は日本人の若者を大勢殺しました...」と言いだしました。 私は心の中で第二次大戦中東南アジアで日本と戦った時の恨みを言う人と会ってしまったと身構えどういう対応をすべきか思い巡らしていました、ところが彼の口から出てきた言葉は驚くべきことで当時の日本の知られざる一面を伺わせるものでした。それは;
「戦争中、特攻隊の若者にナビゲーションの教師として赴任し一生懸命基地に戻って来れるよう飛行訓練をしたはずが皆片道飛行で行ったきり、多くの若者を殺してしまったのです。」そして私が当時の知人がいれば連絡を取ってみますよと言うと「九州の基地にいた〇〇大尉(基地名と名前を言われたが覚えていない)とは連絡を取っています」
それを言うと席から立ち別の席に行ったか、出ていったかは思い出せません。
きっと日本人顔をみて昔の事を話してみたかったのでしょう。

スイスは永世中立国と言いながら軍事産業はトップクラスでエリコンの機関銃は日本でも採用されていたと聞いておりますし、最新技術のナビゲーションもスイスから導入して彼が教育係として来日していたことも不思議ではありません。 (レーダーの開発にドイツ、テレフォンケン社からドイツ人エンジニアが来日していた事は有名です)
彼の勤めた九州の特攻隊基地や資料館を訪問してこの話の真実を確認あるいは報告も頭の中をよぎりましたが実現せずに終わりそうです。
以上

nice!(1)  コメント(0) 

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。